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プログラミングとか色々

普通の大学院生が【バイク】乗ってみた。あるいはCBR250Rのインプレ

月日は百代の過客にして,行かう年もまた旅人なり. 今年の3月末頃にCBR250Rというバイクを購入して早3ヶ月,様々な土地を放浪して走行距離3000kmに達するまでになりました. 区切りが良いのでこのバイクについて感じたことなどを書き留めておきたいと思います.

購入の経緯

バイク通学が認められており,キャンパスの近くにはホンダドリームまであった高専が僕の母校でしたが, 電気電子情報系だった僕はあまり関心を抱いてはいませんでした.

転機となったのは大学編入学です. 僕の通っている大学のキャンパスは山の中にあり,入学当時地下鉄の駅は通っていませんでしたから,市営バスを使って通学する必要がありました. この市営バスの高価な運賃,劣悪な乗り心地や便数の少なさにはひどいものがあり,行きたいときに行きたい所へいけないフラストレーションを溜め込むことになります.

結局入学1ヶ月ほどで音を上げ,スーパーカブ110を購入し原付通学を始めました. いざ始めてみると原付のある生活というものは楽しいもので, 自分の意思があればどこへでも行ける嬉しさから隣県に足を運んだりもしました.

とはいえ原付で遠出をするのは骨が折れるもの. 経済的に4輪を維持するのは厳しいですし,同級生の誘いで大型自動二輪免許を取った際に培ったクラッチ操作を腐らせてしまうのも勿体無いですから,より排気量の大きい2輪が欲しくなってきます. そんなことを考えつつ正月帰省した時に母校近くのホンダドリームを冷やかしたところ,都合よくCBR250Rが値引きされたので購入に至った訳です.

外観や取り回しなど,静的な特性

前期型のCBR250Rは口の悪い人にパンツ顔と揶揄されることもあるようです.僕が購入した後期型は中々精悍な顔つきをしていると思うのですが,どうでしょう? f:id:fetburner:20170713000129j:plain:w300

以前乗っていたスーパーカブ110と比べると排気量にして2倍程度のサイズアップですが,それ以上に大型化した印象を受けます. エンジンが空冷から水冷へ,ワイヤー式のドラムブレーキから油圧式のディスクブレーキへ,等々機構が複雑化している影響でしょうか? 取り回しもそれに伴って重くなりましたが,情報系の細腕でも余裕を持って支えられるのでバイクとしては軽い方かと.

跨ってみると,両足が踵まで着いて膝が僅かに曲がる程度には足付きが良いです. 僕は身長173cm程度と標準的な体型なので,結構足付きの良いバイクなのではないでしょうか? この足付きの良さを生かして,駐輪場で跨ったまま足で地面を蹴ってバックをしてみたり,悪路で足を着きながら恐る恐る走ることもできます. 良い意味で大きなカブですね.

ハンドルへ手を伸ばすと,殆どネイキッドのバイクに近いような緩やかな前傾姿勢になります. セパレートハンドルと聞くと前傾がきついのではないかと見られがちですが, このバイクはハンドルがブリッジの上に付いており,前傾がきつくならないよう配慮されています. f:id:fetburner:20170402094216j:plain:w300

ステップの位置もこの緩やかな前傾姿勢に合わせて作られたんじゃないかって感じなんですが, 前傾姿勢に慣れてより深く伏せようとしている今となっては足が窮屈で膝が痛くなります.

エンジンや足回りなど,動的な特性

エンジン

僕は動力系に手を入れていないので,以降の所感はフルノーマルのものと考えて下さい. 巷では単気筒だからと下に見る人も居るようですが,これは回転数によって様々な顔を覗かせる面白いエンジンです. ここでの解説ではエンジン回転域が網羅的になっていませんが,中間的な回転数では前後の回転域の中間のような特性を持つと考えて下さい.

まずアイドリングのエンジン音ですが,跨っている限りでは耕運機と揶揄されるような排気音はあまり聞こえません. なにしろシートに座っている限りではマフラーの出口よりエンジンの方が近い訳ですから,当然エンジンのメカノイズが主体となります. 僕は高専時代ロボコンをやっていたぐらいなので,この手の音は嫌いではないです.

そして発進時や徐行で用いるような3000rpmぐらいまでの低回転での特性ですが,すぐノッキングみたいなギクシャク感が出るのでギアを下げるか,さもなくば半クラを使っています. 誰だよ単気筒は低速トルクがあって街乗りが得意とか言った奴は! アクセルを慎重に操作すれば解決するとの情報もありますが,僕はエンストからの立ちゴケが怖いので安全側に倒し,半クラを多用することで解決しました.

次に4000rpmぐらいから6000rpmぐらいまでの中回転域の特性ですが,ここがツーリングの際に最も快適に感じる回転域ですね. 上り坂のように負荷が大きくなると若干振動を感じるものの,部分負荷ではバランサーの恩恵か殆ど振動を感じず快適快適. 加えて単気筒エンジンらしくトルクも豊かなので,この回転域で結構な速度域をカバーできてしまいます. 何しろCBR250R後期型は6速100km/hで6000rpmしか回りません. これはCB400sfと同等の数値で,250ccのバイクの中では随一の重いギア比です.100km/hで巡航してもまだまだ余裕を感じられます. ネット上では

「CBR250Rは単気筒なので長距離乗ると振動で疲れる」

といった主張をしている人も居ますが,とんでもない! こいつは250ccという限られた排気量で快適に旅をするためのホンダの回答の一つではないでしょうか.

最後に7000rpmより上の回転域ですが,ここまで来るとバランサーはもはや用を成さず,単気筒特有のカブをやたら高回転まで引っ張ったような振動に苛まれます. 諸元表を見るに性能的にはこの辺りに美味しい所があるのでしょうけど,あんまり振動が激しいと壊れそうな気がするので思ったように使えていません. ここを使っている時にギアを上げようとしてついカブの時のクセが出てギアを下げてしまい,何らかの保護機構によってエンストしたトラウマもあるかもしれません.

足回り

とても安定志向で命を預けられる信頼感があり,一方で運転手が意思表明すれば思いのままに曲がってくれる二面的な足回りを持っています.

まず信頼感についてですが,直線の巡航中やコーナリング中に路面のギャップを拾っても安定している点が素晴らしいです. 通学路のワインディングで,適当に流したつもりでもカブで全力で走っていた時よりスピードが出ていたのがその証左でしょう. まだ500km程度しか走ってなかった頃に国道1号線でトラックに煽られた際こそ怖い思いをしたものの, サスペンションの角が取れた今となっては多少の高速走行はものともしません. 国道で流れに乗っても恐怖を感じることが無くなったため,カブでは行けなかった所にも足を伸ばせるようになりました.

次にコーナリング性能です.前に乗っていたカブが自転車並に倒れやすかったので慣れるのに時間を要しましたが, フロントブレーキを使うなり腰を使うなりして倒してしまえばかなり曲がります. 慣れてからは峠道で前を走る車にコーナリングの度に苛立ちを覚えるほどです. とは言え,バンクセンサーを擦るほどに倒している訳ではないので,まだまだこいつの全力を引き出せてはいませんが. 個人的には,コーナリング時にはギアを落として前傾を深くし,身体全体をそのまま右に左にとずらした方が曲がりやすい気がします.

ブレーキ (タイヤ性能?)

当然ながらカブより性能が良く,必要十分以上には効きます.僕のCBR250RにABSは付いていませんが,今のところタイヤをロックさせたことはありません. パニックブレーキ気味な時もあったので,タイヤ性能に何度命を救われたことでしょう. 余談ですが,CBR250R乗った後にカブに乗るとブレーキが効かなくて怖い思いをしました.

結び

走行性能の余裕は安全性に繋がるとはよく言ったものです.CBR250Rに乗り換えてからと言うものの,走行中ヒヤリとする場面が減り,行動範囲を押し広げることとなりました. せっかく実家から遠い大学に通っているのですから,新たな相棒によって行動範囲をさらに広げ,まだ見たことの無かった景色を見たいものです.

興味を持った若人達をバイクの世界に誘う入門機としては良くできているなぁと感じ入ります. 水冷エンジン油圧式ディスクブレーキ,FI,リンク式モノサス,価格を抑えつつよくぞ現代的なバイクの構成要素を押さえましたね. 各社から発売されたこのクラスのバイクはさながら某ゲームで最初に貰える3匹のポ○モンのようです.

大型自動二輪免許こそ有していますが,僕は当分CBR250Rに乗り続けようと思います. まだまだこのバイクの全力を引き出せるには至っていませんし,同級生でB1の頃から50000kmは乗っているというCB400sf乗りの方の華麗なライディングを見たので, 僕もCBR250Rでどこまでやれるか試してみたくなってしまいました.

割と不純な動機で選んだCBR250Rでしたが,乗れば乗るほど愛着が湧いてきたので大型自動二輪免許が生かされる日は来るのかは疑問です. つまりはこれからもどうかよろしくね f:id:fetburner:20170401152350j:plain